デジタル放送を家庭などで録画する際の新しい複製ルールである、いわゆる「ダビング10」の運用が、2008年6月2日の午前4時に始まる見込みであることが明らかになった。2月19日に開催された、情報通信審議会 情報通信政策部会 デジタル・コンテンツの流通の促進等に関する検討委員会において、デジタル放送推進協会(Dpa)技術委員会 委員長の関祥行氏が表明した。これまでダビング10は、2008年6月をめどに運用開始するとしていたが、具体的な開始日時が明らかになったのはこれが初めてである。

 ダビング10をめぐっては、運用開始前にCS放送事業者の送出設備を改修する必要があり、この作業が完了する時期が1つの課題となっていた。これについて、「5月末までに終わる見込みがついた」(関氏)ことから、具体的な運用開始日時を決めたものである。信号切り替えの作業がしやすく視聴者も少ない、月曜の早朝に切り替えを実施する。

 ダビング10をめぐっては、電波産業会(ARIB)の運用規定の改定が2月7日に公表され、機器メーカーがダビング10の対応機器を開発する際に必要となる指針が固まった。これに基づき、メーカー各社がDVDレコーダーなどのダビング10対応作業を進めていくことになる。併せて、ダビング10の信号を受信した際に誤作動などが起こらないかどうかのテストを、Dpaとメーカー各社などで今後実施する予定。3月中旬から4月にかけて室内でのテストを行い、その後は衛星経由で信号を送出するという、実環境と同様の状況でのテストを実施する予定。