野村総合研究所(NRI)と日本コムシスは2008年2月19日、データセンター向けにスマートフォンを用いたカメラ画像閲覧システムを共同で開発したと発表した。3月から販売を開始する。金融機関などデータセンターを保有している企業をはじめ、高いセキュリティが要求される工場、研究所、病院などに売り込む。

 今回開発したシステムでは、スマートフォンで撮影した画像をサーバーに転送し、遠隔から画像を閲覧する。データセンター内でシステム障害が発生した際に遠隔地のシステム担当者に対して状況を画像で伝えたり、逆にシステム担当者がリモートから機器類の設置作業状況などを確認したりできる。スマートフォンが備える無線LAN機能を使うことで、携帯電話網を経由することなく社内ネットワークにアクセスすることが特徴だ。

 高度なセキュリティが要求されているデータセンターでは、たとえ社員であってもカメラ付き携帯電話やデジタルカメラの持ち込みを禁止しているのが一般的である。このシステムでは、セキュリティを高める機能を用意することで、セキュリティ・ポリシーに抵触しないようにした。携帯電話網を利用しないのはその一例だ。

 このほか、撮影画像を転送した後は、スマートフォンに画像を残さない機能、サーバーからの画像の流出・漏えいを防止するため、閲覧するパソコンに画像データのダウンロード、コピー、印刷などの機能をシステム的に禁止、制限する機能などを備える。

 スマートフォン端末にはウィルコム製Advanced/W-ZERO3 [es]シリーズを採用。アプリケーションの価格は150万円。