写真 富士通のスパコン「FX1」のシャーシ(4ノード、上)とプロセサ・ボード
写真 富士通のスパコン「FX1」のシャーシ(4ノード、上)とプロセサ・ボード
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 富士通は2008年2月19日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)からスーパー・コンピュータを受注したと発表した。システム全体の理論性能が135テラFLOPSと、稼働中のスパコン性能を集計している「TOP500」で日本1位の性能に相当する。受注額は6年間のリース契約で110億円。

 導入するのは、富士通のスパコン「FX1」。JAXAがファースト・ユーザーとなり08年4月から移行を開始し、本格稼働は09年4月となる。FX1は富士通が自社で開発したクアッドコア・プロセサ「SPARC64VII」(動作周波数2.5GHz)を、1ノード当たり1プロセサ搭載。JAXAは全体で3392ノードを導入する。

 JAXAはロケットなどの宇宙輸送や航空機の開発・検討時のシミュレーションにスパコンを利用している。今回の導入システムは2002年度に導入した「PRIMEPOWER HPC2500」などの置き換えとなる。現行の理論性能は9.6テラFLOPSであり、新システムはおよそ15倍の性能となる。

 現在、TOP500では東京工業大学の「TSUBAME」が国内1位で、実測性能値が56テラFLOPS。JAXAがシステムを導入し終えればこれを上回る見通しだが、08年6月には東京大学が理論性能約140テラFLOPSのスパコンを稼働させる予定。性能競争が激化している。TOP500は6月と11月の2回発表しており、07年11月の結果では実測値が478テラFLOPSのシステムが世界1位、126テラFLOPSのシステムが世界3位である。

■変更履歴
写真の説明で「FX1」の1ノードとしていましたが、正しくは4ノードです。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2008/02/19 18:30]