図1●オフショア開発の発注取引額推移(2002年~2004年、2006年)
図1●オフショア開発の発注取引額推移(2002年~2004年、2006年)
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図2●従業員数別に見たオフショア開発の直接発注の取引実績
図2●従業員数別に見たオフショア開発の直接発注の取引実績
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 情報処理推進機構(IPA)は2008年2月18日、「IT人材市場動向予備調査(中編)」をまとめた。オフショア開発の動向などをまとめた報告書で、これによると2006年のオフショア開発の規模は開発発注取引額ベースで713億円に上ることが分かった。回答したITベンダー218社のうち28.4%が、海外IT企業の日本法人を経由しない、オフショア開発の直接発注の実績があるという。

 IPAによると、2006年のオフショア開発の発注取引額は、2002年の203億円に比べ約3倍に成長した(図1)。国別に見ると最も発注取引額が多い国は中国。485億円とオフショア開発市場の68%を占めた。

 中国へのオフショア開発の発注は2003年以降、年率平均28%の伸びを続けている。今後もこのペースで伸びれば2011年には開発発注は1500億円を超え1649億円になるという。IPAは2011年の国内の情報サービス市場を22.8兆円規模と予測しており、中国への発注金額は0.7%に上る計算だ。

 中国以外の国では、インドとベトナムに対するオフショア開発が伸びているとIPAは指摘する。例えば、2006年のインドへの発注金額は141億円で、2004年の金額と比べると約3倍。発注規模は中国に次ぐ2位に成長した。ベトナムへの発注金額は4.3億円と規模は小さいものの、2004年の金額の約2倍と急伸している。

 今回の調査ではオフショア開発はITベンダーの規模を問わず浸透していることもわかった。オフショア開発の直接発注の実績がある企業は28.4%(図2)。従業員数が1000人以上の大企業の場合は68.6%と7割近くに上る。100人未満の企業でも直接発注の実績比率は13.7%と二ケタに達した。

 調査期間は2007年9月10日~28日までの約3週間。ITベンダー1096社にアンケート調査を依頼し、218社が回答した。