日本コカ・コーラは2008年2月18日,自動販売機の商品補充作業を効率化するシステムをNTTドコモと共同で開発したと発表した。商品補充の担当者が持ち歩いている携帯端末(ハンドヘルド・ターミナル)と自動販売機をNTTドコモのFOMAで接続し,在庫情報を事前に確認できるようにする。

 今回開発したシステム名は「1往復オペレーションシステム」。現在,担当者が持ち歩いている携帯端末は赤外線を利用して自動販売機から在庫情報を取得する仕組みになっている。赤外線は通信距離が短いため,担当者はいったん自動販売機のある場所まで行き,在庫を確認しなければならない。在庫確認と商品補充で自動販売機とトラックとの間を2回往復する必要がある。

 新システムでは赤外線通信機能に加え,FOMAのデータ通信カードを携帯端末に実装。同じくFOMAのデータ通信カードを搭載した自動販売機との間で遠隔から在庫情報を取得できるようにする。担当者は自動販売機とトラックとの間を1回往復するだけで済むようになる。特に高層ビルの上層階や駅構内にある自動販売機の場合は移動に時間がかかり,「1回の商品補充に平均30分程度かかっている。新システムの導入で5~10分程度短縮できる見込み」(日本コカ・コーラ)である。

 同社は今後,高層ビルの上層階や駅構内にある自動販売機を中心にFOMA対応を進めていく。東京,名古屋,大阪,福岡を中心に2008年内に1万台の自動販売機を対応させる予定である。導入コストは非公開。

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