オレンジソフトは,メールの添付ファイルをZIP形式でアーカイブ/暗号化する機能を備えたメール・サーバー・アプライアンス「BRODIAEA safeAttach」の新版「BRSA-03」の3モデルを,2008年3月以降に順次出荷する。メールの送受信者間で簡単かつ安全にデータをやりとりすることが狙い。新版では二重化で可用性を高めた。価格は最安価モデルで180万円(税別)。販売会社はフォーバルクリエーティブ。

 BRODIAEA safeAttachは,電子メールの添付ファイルを暗号化する機能を備えたメール・サーバー・アプライアンス。データの暗号化により,インターネットでメールが傍受されても情報が第三者に漏えいしない。暗号化はメール・サーバー側で実施するため,メール・ソフト側に特別な仕組みは必要ない。

 暗号化の方法としては,メールの受信者側が簡単に復号化できるよう,ファイル・アーカイバであるZIPを採用した。ZIPは複数ファイルを1つの書庫にアーカイブするユーティリティ・ソフトであり,ZIPは書庫ファイルをパスワードを用いて暗号化/復号する機能を備えている。BRODIAEA safeAttachでは,この機能をそのまま利用する。

 メール送信者は添付ファイル付きのメールをBRODIAEA safeAttach経由で送るだけでよい。あとは,メール・サーバーであるBRODIAEA safeAttachが,添付ファイルをZIP形式にアーカイブして暗号化する。一方,メールの受信者は,パスワードを用いてZIPファイルを復号し,ファイルを入手する。復号のパスワードは,暗号化ZIPファイルを添付したメールとは時間差を置いて,別のメールで通知できる。あるいは,電話やファックスなどメール以外の方法で伝えてもよい。

 今回出荷する3モデルは,それぞれアプライアンスのプラットフォームが異なる。バージョン・アップの主な狙いは,ハードウエア部品の二重化などによる可用性の向上。共通部分であるソフトウエアも,従来版と比べて若干パフォーマンスが向上したとしている。

 3モデルの価格と出荷時期は以下の通り。

 (1)標準モデルとなる「BRSA-03STD」は,従来機「BRSA-02」(税別で150万円)の後継。ディスクとネットワーク・カードを二重化して信頼性を高めた。価格は180万円(税別)で,2008年3月に出荷する。(2)「BRSA-03HA」は,さらに可用性を高めたモデル。ディスク,電源,ネットワーク・カードを二重化し,ディスクと電源はホット・スワップ可能とした。CPU性能も従来機種より向上している。価格は300万円(税別)で,2008年4月に出荷する。(3)「BRSA-03V」は,VMWare ESX Server上で動作する仮想アプライアンス。2007年11月に出荷した従来の仮想アプライアンス版「BRSA-02V」と機能面での差異は無いが,性能が向上しているという。価格は200万円(税別)で,2008年3月に出荷する。