米Wal-Mart Storesは,同社が運営する店舗で扱う次世代DVD製品を「Blu-ray」に一本化することを米国時間2008年2月15日に発表した。今後数カ月かけて「Wal-Mart」店舗と「Sam’s Club」店舗で,競合規格である「HD DVD」製品の整理を進め,6月には両ストアの4000店舗および各オンライン・ストアでBlu-ray対応製品のみを取り扱うことになる。

 同社のホーム・エンターテインメント部門担当上級バイス・プレジデントのGary Severson氏によると,顧客の意見では,商品を購入する場合,明らかにBlu-rayを好む傾向が強かったという。

 次世代光ディスク規格を巡っては,今年1月に米Time WarnerのWarner Bros.がBlu-ray一本化を表明し,業界に大きな影響を与えた。同社はBlu-rayとHD DVDの双方をサポートしてきたが,「いつまでも規格の混乱が続けば,高品位DVDの市場機会が失われてしまう。Blu-rayのみを販売することは,大衆市場での成功の可能性を高め,最終的には販売事業者や映画製作者,そして消費者に恩恵をもたらすことになる」として,5月末をもってHD DVDフォーマットのDVDタイトル販売を打ち切ることを決めた(関連記事:Warner Bros.がDVDタイトルを「Blu-ray」に一本化,「HD DVD」対応は5月末まで)。

 これを受け,HD DVD陣営を主導する東芝はHD DVD対応プレーヤの米国向け希望小売価格の値下げを引き下げるなど(関連記事:東芝,HD DVDプレーヤの米国向け価格を値下げ)の対策をうった。しかし,Warner Bros.の動きを理由にオンライン映画レンタル・サービスの米NetflixもBlu-ray一本化の方針を2月に決定(関連記事:オンライン映画レンタルのNetflixも「Blu-ray」一本化へ)。また今回のWal-Martの発表により,Blu-ray勝利で次世代DVD規格争いが決着する様相が濃くなっている。

[発表資料へ]