写真1 VMKNOPPIX(20070328) with Trusted Boot。左上がTPM(Trusted Platform Module)をソフトウエアでエミュレートしているウインドウ。
写真1 VMKNOPPIX(20070328) with Trusted Boot。左上がTPM(Trusted Platform Module)をソフトウエアでエミュレートしているウインドウ。
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 産業技術総合研究所は2008年2月15日,Trusted Boot機能を備える仮想PC環境を構築・運用できるLinuxディストリビューションの新版「VMKNOPPIX(20070328) with Trusted Boot」を公開した。

 同ディストリビューションはCD-ROM1枚にシステムを収め,ハード・ディスクにインストールせずに光学ドライブから起動できるLinux OS。XenやKVMなどの仮想化ソフトを用いて1つのOS内に複数の仮想的なPC環境を作成し,その上で別のOSを動作できる特徴を持つ。「with Trusted Boot」は,PCに備わったセキュア・チップ「TPM」(Trusted Platform Module)を用いて,ソフトウエアの改ざんやハードウエアの改変をチェックできる仕組みを持つ起動方法に仮想PC環境が対応していることを示している。

 新版は,TPMをソフトウエアでエミュレートし,それと仮想化ソフト「Xen」との組み合わせて,ソフトウエアのみでTPMを備えた仮想PC環境を構築できる(写真1)。そのため,TPMやそれに対応するBIOSを備えたPCがなくても,仮想PC環境上で,2007年11月に公開されたTrusted Boot機能対応Linuxディストリビューション「KNOPPIX for Trusted Computing Geeks」の検証などが可能になった。

 このほか,新版はXenやKVM,QEMUなどがアップデートされた。また,「OS Circular」というフレームワークを用いて,XenやQEMU,KQEMU,KVMの仮想環境上で,ネットワーク仮想ディスクから,CentOS 5やDebian GNU/Linux(コード・ネーム:Etch),Ubuntu 6.06/6.10/7.04を起動できるようになった。