写真●ICタグは日立製作所の「μ-Chip Hibiki」(UHF帯)、リーダーはデンソーウェーブ製
写真●ICタグは日立製作所の「μ-Chip Hibiki」(UHF帯)、リーダーはデンソーウェーブ製
[画像のクリックで拡大表示]

 経済産業省は2008年2月15日、無線ICタグを使って、家電業界における製品安全の徹底を図る実証実験を公開した。エディオン高井戸店(東京都杉並区)の店頭で、ビデオ・レコーダーに取り付けたICタグを読み取り、購入者の個人情報とひも付け(写真)。製品に問題が発生した際に、使用者に連絡できる仕組みをデモした。

 量販店やメーカー、物流業者がそれぞれICタグ・データベース(EPCIS)を持ち、販売情報や型番、流通経路などをICタグのIDとひも付けて管理するモデルを採用した。メーカーは、問題が発生したときに、その製造ロットの個品に結び付いたICタグIDを量販店に告知。量販店は、どの消費者に通知すればよいかが分かる。「従来は型番までしか記録していなかったので、告知すべき顧客を絞り切れなかった。個品までトレースできれば、適切な顧客サービスを提供できる」と東京エディオンの外山晋吾社長は期待する。

 もっとも、こうした仕組みの実用化に向けた課題はまだ多い。販売店が倒産したときに販売データをどう保護するのか、システムを整備できない小規模店舗への対応はどうするのかといった問題だ。こうした問題は、家電業界におけるICタグ活用を推進する「家電電子タグコンソーシアム」などで協議していく考えである。家電電子タグコンソーシアムには、ソニーや松下電器産業など大手家電メーカーが参画している。