写真●英ARMのモバイル・ソリューション ロブ・クームブス部長
写真●英ARMのモバイル・ソリューション ロブ・クームブス部長
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 英ARMのモバイル・ソリューション ロブ・クームブス部長は,スペイン・バルセロナで開催されているMobile World Congress 2008において,日経コミュニケーションのインタビューに応え,「2008年後半に携帯電話が大きな進化を遂げる」と語った。英ARMは組み込み向けマイクロ・プロセッサ回路を販売する会社。ハイエンドの携帯電話のほぼ100%に同社の回路を使った半導体チップが使われている。

 同氏によれば,2008年後半から同社の新マイクロ・プロセッサ回路「Cortex-A8」を搭載した携帯電話が登場する。Coretex-A8は処理性能を従来のARM11に比べて強化し,マルチメディア処理を行うためのDSP(digital signal processor)を持つ。この結果,「携帯電話が真のインターネット端末に変わる」という。

 DSPを回路に搭載することで,ARMコアを採用するチップ間での互換性も高まる。これまでは,ARMのコアを採用しながら,マルチメディア処理をするためのDSPに差があった。Coretex-A8を採用が進めばこうした差異はなくなる。「例えば,このDSP回路に処理させるようにプログラムを作ることで,新しいマルチメディアのコーデックを後からインストールするといったことができるようになる」。

 さらに,2010年後半か2011年初めには次世代のCortex-A9が携帯電話に搭載されるようになり,ハイエンド機ではマルチ・コアの搭載が進む。「パソコンでしかできなかった仕事が,パソコンを起動することなくどんどん手元でできるようになってくる」とした。