米Yahoo!は,米Microsoftによる同社買収提案を拒否した(関連記事:「著しい過小評価」,Yahoo!がMicrosoftの買収提案を拒否)ことについて説明した株主あての書簡を,米国時間2008年2月13日に公開した。その中でYahoo!は,Microsoftの提示額が同社を「著しく過小評価したもの」であるとの判断をあらためて主張した。

 書簡では,「取締役会が,業界が急速に変化する状況であらゆる戦略的選択肢を検討し続けていることを分かってもらいたい」とした上で,同社のブランド,視聴者,パートナシップ,財務力,技術,戦略的投資に関して詳しく説明し,同社の価値および主導的立場の中核と位置づける資産の強みを語った。

 同社CEOのJerry Yang氏は,「当社には膨大な市場機会があり,それを活用できる特有の立場にある。世界オンライン広告市場は2007年の450億ドル規模から2010年には750億ドル規模に成長すると見込まれている。市場シェアを獲得し,株主価値を創出するために,当社は同市場の成長と発展の時宜を逃さないよう迅速に行動している」と述べた。

 また,今後数年の目標として,同社サイトへの訪問者数を年間15%拡大すること,広告事業では市場シェアを2007年の15%から20%に拡大することなどを挙げた。

 「優先度の高い主要戦略を進めるために,組織の合理化や不採算事業の縮小などを通じてリソース配分の見直しを行っている。これらは株主価値を高める計画の中心となる重要な移行であり,順調に進んでいる」(Yang氏)。

 ちなみにYahoo!の第2位株主である米Legg MasonのLegg Mason Capital Managementは,Microsoftに買収額の引き上げを要請するコメントを発表している(関連記事:「MSは買収を成立させたいなら価格を引き上げるべきだ」,Yahoo!の第2位株主)。しかしその一方で,Yahoo!がMicrosoftの申し出を拒否したことに対して,別の株主が訴訟を起こしたことも報じられている(米Informationweek)。

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