ニイウスコーは2008年2月14日、08年6月期の中間決算発表を延期すると発表した。「不適切な取引が行われた可能性がある」(ニイウスコー広報)ため。同社は現在、調査委員会を発足し、監査法人とともに事実関係を調査している最中だという。同社の前会長兼社長である末貞郁夫氏は日経BP社の取材に対して「不適切な取引や会計処理はない」と話していた。

 今月中旬に発表する予定だった「新ビジネスプラン(リカバリープラン)」の発表も延期する。決算数値が正確でない可能性があるため、「確定した決算数値の発表とともに、新ビジネスプランも発表する」(同)。

 ニイウスコーは東京証券取引所市場第二部に上場している。仮に、半期報告書の提出が、法定期限である中間期末後3カ月から1カ月以上遅れた場合、東証の上場廃止基準に抵触する。

 同社は07年6月期の連結決算で、603億円の売り上げに対して291億円の特別損失を計上。同期の純損益は302億円の赤字だった。理由として、医療事業からの撤退などを挙げており、末貞郁夫代表取締役会長(当時)を含む全取締役が責任を取り退任。投資会社であるロングリーチグループなどに総額200億円の第三者割り当てを実施し、再建を目指していた。

 IT企業の決算では、2004年に日本IBMが会計の不正処理を理由に売上高を修正した例や、2007年にGIS(地理情報システム)分野のコンサルティングやシステム構築などを手掛けるアイ・エックス・アイ(IXI)が、日本IBMのゼネラルシステム事業部が発注したとされる総額300億円の複数案件が「循環取引」だったとして民事再生手続きを申請した例がある。