NECは2008年2月14日、システム基盤事業を強化するために米マイクロソフト(MS)など海外ITベンダー6社と提携したと発表した。NECは電子マネーや映像配信などに用いるシステム基盤を、6社と共同で開発したり海外で販売したりする。

 NECが提携したのは、米MS、米ヒューレット・パッカード(HP)、米サン・マイクロシステムズ、米EMC、米オラクル、米BEAシステムズの6社。MSはコンタクトセンター分野、HPは業種ソリューション分野、サンは映像配信や通信分野、EMCはコンテンツ管理分野、オラクルはビジネス・インテリジェンスやデータ・ウエアハウス分野、BEAは通信や金融向け分野と、各社の得意分野ごとにシステム基盤を開発・販売する。

 システム基盤の中核を担うのは、NECが昨年4月に発表した「サービスプラットフォーム(PF)」である。サービスPFは、データベースやアプリケーション・サーバーなどのミドルウエア、顧客管理や課金管理といったサービス単位に切り分けたアプリケーション・モジュール、これらを組み合わせるためのテンプレート、の3つの要素から成る。「検証済みのミドルウエアやモジュールを組み合わて用いるため、信頼性の高い大規模システムを短期間で構築できる」(富山卓二執行役員)点が特徴だ。

 NTTドコモの課金システムに適用するなど、NECは約1年にわたって実際にサービスPFを採用してきた。しかし、「ビジネス・モデルの提案からインテグレーションまで幅広く対応するためには、製品レベルでなくSIレベルでパートナー企業と連携する必要がある」(相澤正俊執行役員専務)との判断から、6社と提携することを決めた。

 NECは昨年4月からの3年間で、サービスPF事業で約8000億円を売り上げる計画を立てており、今年度は約2000億円を達成できる見通しだという。今回の提携によりサービスPF事業の海外展開が可能になるため、今後3年間で約500億円分の案件を海外市場で獲得する計画だ。