写真●英ユビキシスのデモの様子
写真●英ユビキシスのデモの様子
左側の四角い箱がハードディスク・レコーダー,右端の機器がフェムトセルの基地局。真ん中の携帯電話でハードディスク・レコーダーの映像を再生している。
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 スペイン・バルセロナで開催中のMobile World Congress 2008(2月11日~14日)では,英ユビキシスが新しいフェムトセルの使い方を動態展示している。

 ユビキシスが見せていたのは,フェムトセル基地局にイーサネット・ケーブルでつながったハードディスク・レコーダーに,同じフェムトセル基地局経由で携帯電話からアクセスし,映像を楽しむというもの。

 「居間にあるハードディスク・レコーダーにベッドの上からアクセスして映像を楽しむといった使い方ができる」(ユビキシスの説明員)。

 これを実現するために「家庭内LANと携帯電話の通信はフェムトセル基地局内にあるNAT(network address translation)機構を使った」(同)。NAT機構が必要なのは,携帯電話には携帯電話事業者によってローカルIPアドレスが割り振られている一方で,ハードディスク・レコーダーにはブロードバンド・ルーターとして働くフェムトセル基地局から別のローカルIPアドレスが割り当てられているからだ。携帯電話からハードディスク・レコーダーを呼び出す場合は,携帯電話の通信をフェムトセル基地局で終端し,NATを介して家庭内LANのIPアドレスに変換したうえで接続する処理をする。

 ハードディスク・レコーダーには一般にMPEG-2形式でデータが保存されており,携帯電話にはMPEG-2ではない別のコーデックを搭載する。ハードディスク・レコーダー内の映像を携帯電話で映像を再生する際にはコーデックの変換(トランス・コーディング)が必要だ。「今回のデモでは,RealPlayerのファイル形式にあらかじめ変換して格納しておいた」(同)という。ただし,「最近のハードディスク・レコーダは非常に処理性能が高い。リアルタイムに変換させる機能を持たせることはそれほど難しくない」(同)と見ている。