日本通信は2008年2月14日、NTTドコモの携帯電話網の開放に関して基本合意に至ったと発表した。今回の基本合意により、日本通信は自らが通信網を持たずにサービスを提供するMVNOとして、より自由に事業を展開できるようになる。日本通信はこれを受けて、独自のサービスに踏み切る予定だ。

 日本通信はかねてNTTドコモに相互接続を要請していたが協議が難航していた。いくつかの点で両社の意見が食い違ったためだ。日本通信は、電気通信事業法に基づき「サービス料金や内容はMVNO(この場合、日本通信)側が決定権を持つこと」、「両社間の相互接続料金は帯域幅に基づいて定額制課金すること」などを主張。一方、NTTドコモは前者に関しては同社が決定権を持ち、後者に関してはパケット当たりの従量課金にするよう求めていた。日本通信は2007年7月、総務大臣に対して本件の裁定を申請。2007年11月には日本通信の主張がほぼ認めらた。これを受け、再度NTTドコモと協議を続け、今回の基本合意に至った。

 今回の基本合意は、両社間のみならず今後ほかのキャリアにも適用される。つまり今後は、上位レイヤーのサービスについては、日本通信などのMVNOが主体となって内容や価格を自由に決めて行えるようになる。業界にMVNOの波が押し寄せる契機と言えるだろう。日本通信はすでに2007年8月にKDDIに相互接続を正式に申し入れている。「ほかのキャリアとも話し合いをしている最中」(日本通信)という。