流通システム開発センターは2008年2月13日、生鮮食料品やアパレルを対象にした次世代EDI(電子データ交換)規格の共同実証を開始すると発表した。実証にはイオンやユニーといった小売7社と、伊藤ハムや日本ハムなどの生鮮食料品メーカー4社、グンゼやワコールといったアパレル・メーカー6社が参加する。共同実証の目的は、生鮮食料品やアパレル分野で次世代EDI規格を利用した取り引きが可能かを確認することである。

 実証の対象となるのは、流通業向けのEDI規格「流通ビジネスメッセージ標準(流通BMS)」。現在、流通業のEDI規格の主流となっている「JCA手順」に代わるものとして06年度に、日本チェーンストア協会や日本スーパーマーケット協会に加盟するGMS(総合小売業)や食品スーパーのシステム部門が中心に策定。グロッサリー(日用雑貨、加工食品)の取り引きを前提に作られている。

 流通BMSは具体的に、小売業と卸売業の間でやりとりする「発注データ」や「出荷伝票」といったメッセージを規定している。通信にはインターネット回線を利用する。従来のJCA手順は、通信速度が3200bpsか9600bpsの専用モデムの利用が前提となっている、1回の通信で256バイトしか送れない、といった問題があることから策定された。

 今回の共同実証ではグロッサリーに加え、生鮮食料品やアパレル分野でも流通BMSを利用できるかを検証する。グロッサリー向けに作成したメッセージに加え、生鮮食料品やアパレルの取り引きで必要な「値札作成」や「集計表作成」といったメッセージを追加した。共同実証の終了後、流通BMSの策定に参加した企業は順次、本番環境でも流通BMSを採用する予定である。

 今回の共同実証は経済産業省の「流通システム標準化事業」の一環として実施されるもの。同事業では08年度、ドラッグストア業界や百貨店業界でも流通BMSを利用した共同実証を予定している。