電子地図大手のインクリメント・ピー(IPC)と鉄道系経路検索大手の駅前探検倶楽部(駅探)は2008年2月13日、資本・業務提携で合意したと発表した。今後、共同で鉄道系経路検索と道路系経路検索の一体型サービスを構築・運営していく。

 IPCは、駅探の筆頭株主である投資ファンドのポラリス・プリンシパル・ファイナンスから、駅探株式の10%に相当する1600株を取得した。これに伴い、駅探の株主構成はポラリスが70%、東芝が20%、IPCが10%となった。

 IPCはパイオニアの全額出資子会社として、パイオニアのカーナビに向け電子地図や経路検索技術を提供。併せて電子地図ソフトのパッケージ販売や法人向け情報システムの販売などを行っている。駅探は、個人ユーザーに対するパソコンや携帯電話での鉄道系経路検索サービス、同サービスの法人向けASP(application service provider)事業などを展開している。

 経路検索ビジネスをめぐっては、ナビタイムジャパンが鉄道系と道路系を一体化したサービスで会員数を伸ばしており、鉄道系の既存事業者は対抗策を模索していた。駅探は鉄道系と道路系の一体型サービス「まるごとナビ」を2007年10月に提供開始していたが、道路系検索の精度向上などを図る上で、道路系のノウハウを持つIPCとの提携が有効と判断した。IPCは、駅探との提携により鉄道系の検索機能を強化することで、携帯電話やスマートフォン、PND(personal navigation device:簡易カーナビ)など、小型端末への組み込み用電子地図ソフトや経路検索ソフトの拡販を図る考え。