写真1●ピコチップのLTEフェムトセル評価ボード。WiMAXにも対応する
写真1●ピコチップのLTEフェムトセル評価ボード。WiMAXにも対応する
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写真2●受信信号を解析装置で解析しているところ
写真2●受信信号を解析装置で解析しているところ
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 英ピコチップは,「Mobile World Congress 2008」において,次世代の携帯電話通信技術「LTE」(long term evolution)で通信可能なフェムトセルの評価ボードの動態展示をしている(写真1)。

 LTEでは,下りの通信に変調技術であるOFDMAと,複数のアンテナを使って同じ周波数帯域に複数の搬送波を載せるMIMO(multi-input multi-output),受信したい信号の方向にアンテナの指向性をダイナミックに変えるアダプティブ・アンテナ技術を使う。これらの技術を一つのボードで実現した。

 デモでは,空中波ではなくケーブルで伝播環境をエミュレーションし,10MHzの帯域幅,4ストリーム×4ストリームのMIMOで通信できることを見せていた(写真2)。方式は上りと下りの帯域を分けるFDD(frequency division duplex)ではなく,同じ帯域を上りと下りで時間を分けて利用するTDD(time division duplex)を使う。システム上はFDDにも対応できるという。

 また,LTEだけでなくWiMAX Wave 2にも対応。「WiMAX Wave2でもOFDMA,アダプティブ・アンテナ,MIMOが中核技術になるため基本は同じ」(同社のルパート・ベインズ マーケティング部長)というわけだ。