写真1●遠隔で端末のデータを初期化したり,機能をカスタマイズできる法人ユーザー向け端末「F905iBiz」
写真1●遠隔で端末のデータを初期化したり,機能をカスタマイズできる法人ユーザー向け端末「F905iBiz」
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 NTTドコモは2008年2月12日,遠隔で端末のデータを初期化したり,機能をカスタマイズしたりできる法人向け携帯電話「F905iBiz」(富士通製)を発表した(写真)。2月20日から同社の法人営業部門が販売する。端末の販売価格は6万円台後半(バリューコース,一括購入の場合)になる見込み。

 一般向けに発売している「F905i」をベースに,法人ユーザー向けに情報漏えい対策と業務外の利用を防ぐ機能を盛り込んだ。先日開催されたITpro EXPOにて,同社の三木茂法人ビジネス戦略部長が発売を予告していた機種である(関連記事)。

 携帯電話を紛失したりした場合,端末内にある電話帳や発着信履歴,メールなどのデータを遠隔で初期化して情報漏えいを防げる。また,カメラや電話帳,赤外線通信などの業務には不要と思われる機能を,企業の管理者が遠隔で利用の可/不可を設定できる。これらは「遠隔カスタマイズサービス」という新サービスとして提供する。同社が法人向けに提供中の遠隔で端末をロックしたり,利用できるサイトを制限したりできるサービス「ビジネスmopera あんしんマネージャー」を,さらに強化した位置付けになる。

 遠隔カスタマイズサービスの利用には別途契約が必要。回線数や利用頻度によって個別に月額料金がかかる。「目安としては,年間に数回程度利用する場合,1回線当たり月額250円程度になる」(NTTドコモ)という。サービスの利用には端末側に機能を制御するデバイスが必要となるため,現時点で対応機種はF905iのみ。「3月に発売予定のWindows Mobile搭載のF1100(富士通製)は,遠隔でデータを初期化する機能だけ対応する予定。今後逐次対応機種を増やしていきたい」(NTTドコモ)としている。

 このほかF905iBizでは,外部メモリー機能やおサイフケータイ機能,USB経由のデータ通信機能を非対応にしたほか,ワンセグや音楽再生など業務に関係のない機能も削除している。

 なお905iシリーズの法人向け派生モデルとしてNTTドコモは2007年12月に,「N905iμ」をベースにカメラ機能を基盤から排除した「N905iBiz」(NEC製,関連記事))も発売している。

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