Bluetooth Special Interest Group (SIG)は2008年2月11日,モバイル業界で世界最大級のイベントであるMobile World Congress(2008年2月11日~14日の日程でスペインのバルセロナ市で開催)に合わせて,高速化に向けた新ロードマップを発表した(発表資料)。具体的には,物理層/MACとしてUWBに加えて無線LANをサポートするというものである。

 Bluetooth SIGは2006年に,UWBを推進する米WiMedia Allianceを組む方針を発表していた。今回の発表は,「IEEE802.11」への対応を先行させるといういものである。Bluetoothの高速化に向けてプロトコルやプロファイル,セキュティー,ペアリングなどの仕組みは継承しながら新しい無線技術を採用することで高速化を目指すアーキテクチャ「Alternate MAC/PHY」の開発を進める同SIGは2段階の発展を想定しているといい,米WiMedia Allianceとの協議も継続しているという。

 Alternate MAC/PHYは,音楽や写真,映像などのエンターテインメント系のデータをバルク転送するときなどに,無線LANなどの高速インタフェースを利用する。高速データ伝送が不要になると,通常のBluetoothに切り替わる。Alternate MAC/PHYのコアとなる仕様は,2009年半ばに公開する予定である。