写真●明日に開幕を控え準備作業が急ピッチで進む「Mobile World Congress 2008」
写真●明日に開幕を控え準備作業が急ピッチで進む「Mobile World Congress 2008」
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 今年も世界最大級の携帯電話関連の展示会「Mobile World Congress 2008」が2008年2月11日(欧州時間)に開幕する。会場となるのは,スペイン・バルセロナのバルセロナ見本市会場「Fire de Barcelone」。明日に開場を控え,見本市会場周辺では各社の携帯電話メーカーのノボリがはためき,関係者がひっきりなしに出入りしていた(写真1)。
 
 今回の展示で特に注目されるのは,(1)次世代の携帯電話のデータ通信技術LTE(long term evolution),(2)家庭内に設置する携帯電話基地局「フェムトセル」(Femtocell),そして(3)米グーグルの「Android」に代表されるオープンな携帯電話開発環境だ。

 (1)のLTEは現在の携帯電話技術を進化させ,下り100Mビット/秒以上,上り50Mビット/秒以上を狙う技術。「3.9世代」や「Super3G」と呼ぶこともある。2008年より携帯電話端末チップベンダーや基地局ベンダーが製品の出荷を開始し,携帯電話事業者が実験を始めると見られている。スウェーデンのエリクソンや米モトローラ,米テキサス・インスツルメンツ,米クアルコム,仏アルカテル・ルーセント,フィンランドのノキア・シーメンス,NECなどが対応システムを展示すると見られる。

 (2)のフェムトセルは,小型の基地局をADSLやFTTHなどの家庭用のブロードバンド回線を使って,携帯電話事業者の網につなげるというシステム。家庭内や飲食店などにある電波の不感地帯を減らしたり,屋外の基地局に流れるトラフィックをブロードバンド回線に逃がすことができる。エンド・ユーザーとしては,通信/通話料金の低下を期待できる。LTEを展示する企業や,英ユビキシス,英ピコチップなどの新興企業,米ネットギアなどのコンシューマ通信機器ベンダーなどが展示を予定している。

 (3)のオープン開発環境では,Windows Moblieを提供している米マイクロソフト,NTTドコモやNEC,韓サムスン電子,英ボーダフォンなどが加盟する「LiMo Foundation」がプレス・カンファレンスを予定しており,新発表がある模様。また,Androidが実装された携帯電話がいくつか展示される可能性が高い。
 
 現地のレポートは現地時間の2月11日~14日の4日間,お届けする予定だ。