東京証券取引所の広瀬雅行IT企画部長
東京証券取引所の広瀬雅行IT企画部長
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 2008年2月8日午前から東京証券取引所の「新派生売買システム」に障害が発生し、先物取引の一部が売買停止になった問題で、東証は8日16時から緊急会見を開いた(関連記事)。広瀬雅行IT企画部長は「まだ原因を特定できていない。9日からの3連休でシステムを復旧させ、12日の取引に間に合わせたい」と話した。

 障害発生時の状況について広瀬部長は「本来は全く同じはずの、『板』画面上に表示されている売買注文の情報と、データベース上の売買注文の情報が一致しなくなってしまった。2つの情報が一致していないと約定処理ができないため、システムが停止した」と語った。どちらの情報が正しいかも現在のところ分かっていないという。

 新派生売買システムは08年1月15日に稼働したばかりの金融派生商品の取り引きを担うシステム。それまでの「先物/オプション売買システム」と「ToSTNeT(立会外取引)システム」を一本化したものだ。当初は07年10月に稼働させる予定だったが、要件定義や基本・詳細設計の甘さが原因のバグが多数発生したことを理由に、稼働を延期した経緯がある。