米ABI Researchが米国時間2008年2月6日に発表した調査結果によると,米連邦通信委員会(FCC)が実施している700MHz無線周波数帯のオークションは,最高入札価格の総額が189億ドル超にのぼる。「当初FCCは落札総額を100億~150億ドルとみていたが,それをはるかに上回る」(ABI Research)。

 同オークションでは,698M~806MHzの周波数帯(通称700MHz帯)を5ブロック(A,B,C,D,E)に分割して競売を進めている。このうち,各種デバイスおよびアプリケーションへのよりオープンなプラットフォームを実装することが求められているCブロックは,FCCが設定した最低落札価格46億3785万ドルに対し,現在の最高入札価格は47億ドル超だ。

 ABI Researchは,「同オークションは,既存通信業者が優勢な無線分野で足場を築きたい新規参入企業にとって最後のチャンスになるかもしれない」と述べる。同オークションには214社が参加しており,米Verizon Wirelessや米AT&Tなどの大手既存通信業者のほか,米Googleや,米Microsoft共同設立者のPaul Allen氏が率いるベンチャー企業Vulcan Spectrumなどが含まれる(関連記事:FCC,700MHz帯オークションで214社の申込みを承認)。

 なお,米メディアの報道(Forbes)によると,Cブロックは2月4日の最高入札価格47億4000万ドルを維持しており,Verizonが入札したものと考えられる。一方Googleは,オークション参加によって「Android」プロジェクトに必要な基盤を作り,700MHz帯でのオープンなアクセスという要求もかなったため,競売から手を引く可能性があると,アナリストはみている。

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