米Microsoftは2008年2月4日(米国時間),同社製ソフトウエアの精巧な海賊版を販売していた台湾人に,懲役4年の判決が下ったことを明らかにした。台湾人のHuang Jer-sheng被告は,22カ国600都市でMS製ソフトの海賊版を販売しており,世界中で出回っている精巧な海賊版の90%が彼の手によるものだったという。被害総額は9億ドル(約960億円)に及ぶ。

 Huang Jer-sheng被告は台北を拠点とする「Maximus Technology」というソフトウエア販売業者の経営者で,1997年から2003年までの間に海賊版を販売していた。主な販売先は,オーストラリア,オーストリア,カナダ,中国,クロアチア,エチオピア,フランス,ドイツ,アイルランド,イタリア,マレーシア,ポルトガル,フィリピン,ポーランド,カタール,シンガポール,スペイン,スイス,台湾,トリニダード・トバゴ,英国,米国(アルファベット順)に及ぶ。判決は2007年12月31日に下され,この種の犯罪に対して下されたものとして,史上最も重い刑罰になったという。

 Huang Jer-sheng被告の拠点は,台湾と中国南部にあり,台湾にある2つのCD複製工場が,海賊版の製造拠点となっていた。インターポールで知財関連犯罪を担当するJohn Newton氏によれば,被告を中心として大規模な偽造団が組織されており,この組織を通じて全世界に海賊版が輸出されていたという。