米シマンテックは2008年2月5日(米国時間)、同社が観測した2008年1月の迷惑メールの動向などをまとめたレポートを公表した。それによると、全メールに占める迷惑メールの割合は78.5%で、迷惑メールの4割以上は欧州のコンピューターから送信されたという。
従来、迷惑メールの主な“発信源”といえば、米国を含む北米地域だった。シマンテックのデータによれば、例えば2007年8月は、迷惑メールの46.5%が北米地域のコンピューターから送られた。一方、欧州地域(中東やアフリカを含む)から送信されたとみられる同月の迷惑メールは30.6%だった。
ところがその後、欧州地域からの迷惑メールが増加を続け、2007年11月になると北米地域を抜いて“トップ”に(図)。同年12月には差が広がり、その状況が2008年1月になっても維持されている。
この理由の一つとして同社では、欧州におけるブロードバンドユーザーの増加を挙げている。ここ数年、欧州各国ではブロードバンドユーザーが激増。2007年6月の調査では、ブロードバンドのユーザー数が多い上位10カ国中、6カ国は欧州地域の国だったという。
迷惑メールの多くは、ウイルス(ボット)感染マシンや、迷惑メール送信業者のメールサーバーから送信されていると考えられる。いずれの場合であっても、それらのコンピューターがブロードバンドでインターネットに接続されることで、送信できる迷惑メールの数は飛躍的に増加する。このため同社では、今回の迷惑メールの送信量とブロードバンドユーザー数には相関があるとみている。