PostgreSQL Global Development Groupは2008年2月4日(現地時間),オープンソースのデータベース管理システム新版「PostgreSQL 8.3」を正式リリースした。2006年12月にリリースされた8.2以来約1年ぶりのメジャー・バージョンアップになる。8.3では8.2に比べ,トランザクション性能が5~30%向上したという。

 8.3での主な性能上の改良点は3点。更新されるタプルにおける管理上のオーバーヘッドの3/4を取り除く「ヒープ・オンリー・タプル」。チェックポイントでのログ記録の影響を軽減する「分散チェックポイント」。そしてバックグラウンド・ライターの自動セルフチューニングである。

 新機能としては,XMLエキスポートを含むANSI標準のSQL/XMLサポート,全文検索ツールTSearch2のコアへの取り込み,GSSAPIおよびSSPI認証サポート,そしてUUID,ENUM,複合型の配列といった新しいデータ型のサポートがある。

 8.3のリリースにあたっては,Sun Microsystemsのソフトウエア部門担当Executive Vice PresidentのRich Greenが「PostgreSQL 8.3は印象的な新リリースであり,世界中のお客様に検討を勧める」とのコメントを寄せている。Sunは2008年1月16日にMySQLを買収すると発表したが,SunのCEOであるJonathan Schwartz氏は同氏のブログで,PostgreSQLを筆頭とするオープンソース・データベースへのSunのコミットメントを拡大し続けると述べている。

◎関連資料
PostgreSQL 8.3プレスキット
PostgreSQL 8.3機能一覧