写真1●グーグルの大須賀利一氏(エンタープライズ セールス マネージャー)
写真1●グーグルの大須賀利一氏(エンタープライズ セールス マネージャー)
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写真2●マイクロソフトの浅川秀治氏(プロダクトマネージメントグループ シニアディレクター)
写真2●マイクロソフトの浅川秀治氏(プロダクトマネージメントグループ シニアディレクター)
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 ITpro EXPO 2008の最後のセッション「激変続くネットの世界 2008年はどうなる?」で,グーグルの大須賀利一氏(エンタープライズ セールス マネージャー)とマイクロソフトの浅川秀治氏(プロダクトマネージメントグループ シニアディレクター)が,2008年の展望について語った。

 モデレータを務めた三輪芳久ITpro編集長は「Web2.0という言葉が出てきてからすでに数年経った。そろそろその次が見えてくる時期だと思う。それが何かを考えたい」と問題提起した。検索サイトとして日頃しのぎを削る2社が何を考えているかを聞くことで,ネットの世界の今後を探ろうというものだ。

 まず,検索サイトの次の一手について,グーグルの大須賀氏はユニバーサル・サーチとパーソナライズを挙げた。「インターネットや企業内に様々な形式で情報は点在している。それらを横串で検索し,短い時間で到達できるようにしたい。それがユニバーサル・サーチ。また,人によって同じキーワードでも求める情報は違うはず。パーソナライズすることで,そうしたニーズに応えていく」(大須賀氏)と言う。

 対するマイクロソフトの浅川氏は「ユーザーのナレッジを検索に取り込みたい」と語った。「米国では,バナー広告やテキスト広告よりも検索連動型広告の方が成長率が高いと言われている。ただ,検索連動型と言ってもまだ不十分。CGM(Consumer Generated Media)のように,ユーザーのナレッジが商品やサービスに反映される仕組みが出てきている。それと同じように,検索サイトにもユーザーのナレッジが反映されるような仕組みを作らないといけない」(浅川氏)。

 サービスの充実も示唆した。「バーティカル・サーチ(特定分野に特化した検索サービス)と呼んでいるが,問題解決できるまでの情報提供を検索サイト内で完結させる。米国ではメディカルやエンターテインメントの分野ですでに始めている」(浅川氏)。

 また「ポータル・サイトとしての次の一手は何か」という三輪編集長の問いかけに対して,マイクロソフトの浅川氏は「Software+Servicesを掲げている。端的に言うと,ブラウザをどう超えるかだ」と話した。ブラウザの外に時計やカレンダを表示するガジェットを使う人が増えてきたが,これをもっと大きくして,今までにない世界を作りたいという。

 一方,大須賀氏が語るグーグルの次の一手は「ユーティリティ・モデルを追求していくこと」だ。デバイスを問わず,シームレスに使ってもらう。ワープロや表計算ソフトを含む各種アプリケーションをネット上で使える「Google Apps」はその一つだ。