米マイクロソフトは2008年2月1日午後10時30分(日本時間)より、米ヤフーに対する買収提案に関する記者会見を開いた。スティーブ・バルマーCEO(最高経営責任者)は、「米グーグルはオンライン広告のシェアが75%と圧倒的な独占状態にあり、それがさらに加速している。今こそ両社が合併すべきだ」と訴えた。

 クリス・リデルCFO(最高財務責任者)は、「両社が合併することにより、1年で少なくとも10億ドルを生み出すシナジー効果がある」と主張。08年後半に買収を完了したいとしている。

 プラットフォーム&サービス部門担当プレジデントのケビン・ジョンソン氏は両社の合併効果について、4つのポイントを挙げた。「1つは、両社の技術者が協力することにより、さらなるイノベーションが可能になること、2つめは、マイクロソフトのユーザー・エクペリエンスに関する経験と、ヤフーのこれまでの経験をあわせることで、より付加価値の高いサービスを提供できること、3つめは、データセンターやサーバーを共有することで、より拡張性の高い広告プラットフォームを提供できること、4つめは、事業の効率を高められること」とした。

 日本のヤフー株式会社への影響について、「ソフトバンクなどとの協力は続けていきたい」(バルマーCEO)とコメントした。

 バルマーCEOは、米ヤフーの取締役会に対して1月31日に送付したレターの中で、06年暮れから07年初めにかけて両社間の協業について協議したことを指摘している。協業から合併までを協議したが、ヤフーは合併について拒否し、その理由として、自らの戦略変更で復活できるためとしていたという。これに対してバルマーCEOは、「1年が経ったが、競争力が高まっていない」と主張した。これが買収提案の背景になった。

 マイクロソフトは、1月31日現在のヤフーの株価に対して62%のプレミアムを付けた買収額を提示。総額は446億ドル(約4兆7500億円)となる。これは、日立製作所、富士通、NECの時価総額(2月1日時点)の合計(約5兆円)に相当する。

 マイクロソフト日本法人は本誌の問い合わせに対して、「本社経営陣が米ヤフーに提案した段階に過ぎない。何も決定していないし、日本法人として何も話せることはない」と回答した。