米連邦取引委員会(FTC)は,SMSサイト「MySpace.com」のWebページ乗っ取り(ページジャック)を行った米企業と責任者などをニューハンプシャー州の米連邦地方裁判所に提訴したことを米国時間2008年1月31日に明らかにした。今回の被告は,以前にも違法なスパイウエア配信でFTCに提訴されている。

 FTCが提出した訴状によると,米Online Turbo Merchantとその経営者Walter Rines,およびパートナであるSanford Wallaceは,フィッシングやページジャック,マウストラッピングといった手法を用いて,MySpaceユーザーを別のWebサイトに誘導し,多数の広告を表示して,広告手数料を儲けようとした。

 FTCは2005年10月,違法にスパイウエア配信を行ったとして米Odysseus Marketingを提訴したが,同社の責任者が今回の被告であるRinesだった。RinesおよびOdysseusは,無料ソフトウエアの広告で消費者の関心を引き,ひそかにスパイウエアやアドウエアを消費者のパソコンにインストールして,ユーザーのパソコンから個人情報を取得していた(関連記事:FTC,違法にスパイウエアを配信した米企業を提訴)。

 裁判所は2006年10月に,ユーザーが選んだものとは別のWebサイトやサーバーにリダイレクトすること,任意のWebブラウザのホームページを変更すること,任意のコンピュータ・アプリケーションの機能を変更あるいは差し換えることなどを禁じる終局的差止を命じた。また,175万ドルの支払いが科されたが,FTCによれば,被告は1万ドルしか払っていない。

 FTCは今回,RinesとOnline Turbo Merchant,およびWallaceが差止命令に背いたとして連邦地裁に訴えるとともに,不正収益の没収を求めている。

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