ドメイン名やIPアドレスの管理を行っている非営利組織Internet Corporation for Assigned Names and Numbers(ICANN)は米国時間2008年1月29日,ドメイン名テイスティングを認めない方針を明らかにした。今後は,ドメイン名の新規登録と同時に登録料が発生する。

 ドメイン名テイスティングとは,新規にドメイン名を登録してから5日以内に取り消せば登録料が不要となる「登録猶予期間(Add Grace Period)」の仕組みを利用した手法。もともとは,「.com」「.net」「.org」「.info」「.name」「.pro」「.biz」のドメイン名取得の際に,スペルミスや入力ミスで登録してしまった場合の損失を救済するための措置だった。しかし,一度に多数のドメイン名を登録し,アクセス数が多いドメイン名以外を猶予期間以内に取り消して,高い広告収入が見込めるドメイン名を選ぶ手段に使われている。

 この手法はインターネット・コミュニティのあいだで深刻な問題となっており,2004年以降,急激に増加している。2007年1月には,「.com」および「.net」ドメイン名で取り消された4782万4131件のうち,約95%に当たる4545万897件がドメイン名テイスティングによるものだった。

 ICANNは新たな方針について,「インターネット・コミュニティが求めていた実行可能な解決策の1つだと考えている」と説明した。

[発表資料へ]