米Sun Microsystemsは米国時間2008年1月29日,輸送用コンテナによる移動可能なデータセンター・システム「Sun Modular Datacenter(MD)S20」と,同システム向け総合支援サービス「Sun Modular Datacenter Suite of Services」の提供開始を発表した。米国におけるMD S20の価格は55万9000ドルから。

 MD S20は,ISO準拠20フィート輸送用コンテナ1台でデータセンター機能を実現するフォーム・ファクタ「Project Blackbox」に対応した初めての製品。コンピュータ,ストレージ,ネットワーク・インフラ,電源,冷却装置をコンテナに収容しており,車両や鉄道,船舶,航空機などさまざまな手段で輸送可能(関連記事:巨大な“箱”に入った移動可能なデータセンター、日本上陸Sun,コンテナ収容型データ・センター「Blackbox」を発表)。

 コンテナ1台で18テラFLOPSの演算能力と3Pバイトのストレージ容量を提供する。ビル内に設置する通常のデータセンターに比べ,構築期間は10分の1で済み,コストも大幅に減らせるという。

 MD Suite of Servicesは,MDシステムの導入や試験,既存ITシステムとの統合作業などを支援する総合サービス。事前調査,要件定義,導入準備,設置,試験,遠隔管理といったサービスを提供する。

 Sunによると,ベルギーのHansen Transmissions,ロシアのMobile TeleSystems OJSC(MTS),オランダのRadboud University Nijmegen Medical Centre(UMCN)が新たにMD S20を導入した。また米スタンフォード大学のStanford Linear Accelerator Center(SLAC)が2台目を導入したという。

 なおSunはインターネットイニシアティブ(IIJ)などと共同で,日本国内にある鉱山採掘跡地を利用し,Project Blackboxベースの地下データセンターを構築する計画に取り組んでいる(関連記事:サン,IIJ,ベリングなどが鉱山採掘跡地に地底IDC,2010年4月に稼働)。

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