米Qtraxは米国時間2008年1月28日,無料の合法PtoP音楽配信サービス「QTRAX V.2 Beta」を開始した。アーティストや著作権所有者に対する楽曲使用料は広告収入で賄うため,ユーザーは楽曲を無料でダウンロードできる。

 Qtraxは「音楽業界から広く受け入れられる初のPtoPサービスになる」としている。ところが米メディア(CNET News.com)は,Qtraxが大手音楽レーベルとの契約を締結できていないと報じている。これまでQtraxはサービス開始時に4大音楽レーベルの楽曲を無償で提供すると約束していたが,米Warner Music Group,米Universal Music Group,ソニーとドイツBertelsmannの合弁会社Sony BMG Music Entertainmentは,いずれも契約締結の事実を否定したという。英EMI Groupも最終的な合意には至っていないなどと報じられており,QtraxのCEOであるAllan Klepfisz氏もこうした状況を認めた(関連記事:英EMIが無料のPtoP音楽配信サービスにカタログ提供,「大手レコード会社で初めて」)。

 また別の記事(CNET News.com)によると,4大音楽レーベルは「imeem」や「Last.fm」といったストリーミング専用の無料音楽配信サービスとの提携は進めているという(関連記事:SNSのimeem,事業拡充を図りオンライン音楽プレーヤの新興企業を買収「音楽SNS『Last.fm』の無料オンデマンド配信は好調な滑り出し」,CBSが報告)。

 QTRAXサービスの利用に必要なWindows用ソフトウエア(ベータ版)は,同社のWebサイトからダウンロード可能。Mac OS X用ソフトウエア(ベータ版)の提供は3月18日に始める予定。なおQtraxは,米国東部標準時(EST)午前7時~午後1時におけるQTRAXサービスのユニーク・ユーザー数が1時間当たり約6万1000人だったと報告している。

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