シスコシステムズは2008年1月29日、データセンター向け大型スイッチの新型「Nexus 7000シリーズ」を発表した。同社スイッチ製品の最上位機種である。

 最大の特徴は、10Gビット/秒イーサネット(10GbE)の通信ポートを最大512個搭載できること。FC(ファイバ・チャネル)を使うストレージ機器も接続することを想定して設計しており、将来的にはFCoE(Fibre Channel over Ethernet)をサポートするという。「サーバー群やストレージ群をこれ1台でつなぐことができる。大規模だがシンプルで経済的なネットワークを構築可能だ」(米シスコシステムズのジェイシュリー・ウラル上級副社長)という。通信ポートは、将来投入する計画の40GbEや100GbEにアップグレードできる仕様にした。

 OSには新開発の「NX-OS」を採用。Nexusを論理的に複数のスイッチとして使えるようにする仮想化機能や、停止せずに搭載ソフトをアップデートできる機能など、運用管理性能の向上を図った。また、信頼性やセキュリティを高めるため、トラブルの自己診断機能や暗号化機能を搭載するなど、大規模ネットワークに求められる機能も備える。

 シスコが大型スイッチを投入した背景には、情報システムの処理性能を考える上で、ネットワークの帯域確保が欠かせないポイントになってきたことが挙げられる。「企業向けアプリケーションでも、動画や音楽配信などの娯楽向けアプリケーションでも、ネットワークの占める位置は重要になる一方だ。今後、大規模スイッチへの需要はますます大きくなるだろう」(ウラル上級副社長)。