米ワイオミング州の連邦地裁は,消費者の電話通話記録を消費者の許可なく第三者に販売していた米AccuSearchに対し,これらの業務を停止するように命じた。米連邦取引委員会(FTC)が米国時間2008年1月28日に明らかにした。裁判所は被告側に,通話記録の販売で不正に得た約20万ドルを放棄するほか,通話記録が販売された消費者に対して通知するように命じた。

 FTCは2006年5月に,消費者の通話記録を消費者の許可なく販売していた「Abika.com」を運営するAccuSearchおよび社長のJay Patel氏を提訴していた。訴状では,被告側がWebサイト上で個人の通話記録を取得して販売すると宣伝しており,第三者を雇って身元詐称や偽文書など違法な手段によって情報を取得していたと主張していた。

 裁判所は,通話記録の取得および販売が違法な手段によって行われたことを認めた。被告側がAbika.comを通じて通話記録を販売したことで,消費者の健康や安全が脅かされたほか,通信事業者の変更手続きなど経済的な負担もかかっており,消費者はこれらのダメージを回避する手段がなかったと結論づけた。

 判決では,被告側に対して消費者の通話記録の違法な取得,マーケティング,販売を禁じた。第三者を雇って不正に通話情報を取得することもできない。また,消費者の個人情報についても,合法的に取得した場合を除き,購入,マーケティング,販売を禁じた。

 被告側は,問題とされている行為が連邦法令「通信品位法(Communications Decency Act)」の定める免責事項に該当するとする主張していたが,裁判所はこの主張を棄却している。

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