写真1●価格が3万450円と安い「t5135 Thin Client」(モニターは別売)
写真1●価格が3万450円と安い「t5135 Thin Client」(モニターは別売)
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写真2●15.4型ワイド液晶を搭載する「6720t Mobile Thin Client」
写真2●15.4型ワイド液晶を搭載する「6720t Mobile Thin Client」
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 日本ヒューレット・パッカードは1月29日,シン・クライアントの新製品4モデルを発表した。省スペース型デスクトップ・モデルの「t5135 Thin Client」の価格はわずか3万450円で,ノート型の「6720t Mobile Thin Client」の場合でも価格は10万4790円である。いずれも1月31日に販売を開始する。

 今回発表したシン・クライアントの新製品は,無線LANを搭載するノート型が1モデル,デスクトップ型が2モデル,同社独自のシン・クライアント・システムである「ブレード・ワークステーション」の専用クライアントが1モデルである。

 3万450円と価格の安い「t5135 Thin Client」(写真1)は,OSに同社独自の「HP ThinConnect」を採用したデスクトップ型のシン・クライアント。米Citrix Systemsの「Citrix Presentation Server」が使用する「Citrix ICA」や,Windows Serverのターミナル・サービスで使用する「MS RDP」といったプロトコルに対応している。

 デスクトップ型シン・クライアントには,AMD Sempron 2100プロセッサを搭載する「t5730 Thin Client」もあり,こちらの価格は6万900円。OSに「Windows XP Embedded」を採用しているため,ターミナル・サービス用途だけでなく,Web閲覧など用途を限定したパソコンとしても利用できる。パソコンとしての用途では,図書館などで使う検索端末や,ネット・カフェなどの公衆端末が向いているという。

 映像出力端子として,アナログ(D-SUB)とデジタル(DVI-D)の2つの端子を搭載しており,デュアル・ディスプレイでの使用も可能。また,PCIスロットとPCI Expressスロットをそれぞれ1個ずつ搭載しているので,無線LAN機能なども追加できる。

15.4型ワイド液晶を搭載したノート型シン・クライアント

 ノート型シン・クライアントの「6720t Mobile Thin Client」(写真2)は,15.4型のワイド液晶を搭載し,重量は2.6kgである。IEEE 802.11a/b/g規格の無線LAN機能を内蔵するほか,PCカード・スロットも標準搭載する。OSはWindows XP Embeddeddで,1.06GHz動作のCeleron Mプロセッサ,1Gバイトのメモリーを搭載するため,シン・クライアント用途だけでなく,Web閲覧など用途を限定したパソコンとしても利用できる。価格は10万4790円。

 同社独自のシン・クライアント・システムである「ブレード・ワークステーション」の専用クライアント「dc73 Blade Workstation Client」は,CADなどの用途で利用される「NVIDIA Quadro NVS 290」グラフィックス・ボードを2枚搭載し,最大4画面への同時出力が可能。画面データを最大170対1の圧縮比率で転送する「HP Remote Graphics(HP RGS)」に対応し,Windows Serverのターミナル・サービスなどには向かない3次元CGを使った画面の転送なども,HP RGSを使うことで可能になるという。プロセッサはPentium Dual-Core E1250を搭載し,OSはLinuxベースの「HP Blade Workstation Client Embedded OS」を使用している。価格は13万4400円。