Blu-ray Disc(BD)プレーヤーの販売が中国で初めて始まった。販売されるのはソニー製プレーヤー「BDP-S300」で、中国の2大電器販売チェーンの一つ、蘇寧電器が中国各地の店舗で合計1000台の販売を始めた。販売価格は4990元(約7万5000円)。

 中国には、次世代DVD規格として、中国政府が支援して開発された「EVD(Enhanced Versatile Disk)」がある。中国政府が「2008年内にDVDの生産を停止し、EVDの生産に一本化する」と宣言するくらい力を入れたものだが、市場での反応は今ひとつで、全く普及していない。DVD販売店では、EVD対応コンテンツを見かけることはほとんどなく、DVDのみを扱う店がほとんどだ。実際、メーカー各社は2008年のDVD生産停止を守る気配はなく、DVD関連機器の新製品を今でも出し続けている。

 BDのライバルであるHD DVDは、中国ではコーデックを中国向けに変更した「CH-DVD」という規格で今年販売される予定だ。ところが世界市場では、BD対HD DVDの規格争いで、BDに軍配が上がりつつある。このため、今後登場するCH-DVDが普及するかは未知数だ。EVD陣営は「EVDとBDが今後共存する」とのコメントを出しているが、現状を見る限りEVDが規格として残ることは考えにくい。中国市場ではBDとDVD、根強い人気のあるVideo CD(VCD)が共存することになるだろう。

 なお、中国ではBD機器としては、BDドライブを搭載したソニーのVAIOが既に発売されている。また、非公式ではあるが、BDドライブを標準搭載しているソニーのプレイステーション3が個人輸入という形で中国内に入ってきており、オンラインショップやゲーム販売店で販売されている。