PCパーツや自作パソコンに関する展示会「DIY PC Expo 2008」(主催:DIY PC Expo実行委員会、後援:アスク、協力:日経WinPC)の2日目である2008年1月27日、日本AMDやインテルは最新製品について解説するセミナーを実施した。
日本AMDは同社マーケティング本部の森本竜英氏が、1月23日に発表したばかりのグラフィックスチップ「Radeon HD 3600シリーズ」「同3400シリーズ」や、「Hybrid Graphics」について解説した。森本氏はまず、グラフィックスチップを2個搭載した「Radeon HD 3870 X2」(解説時点では未発表の製品)を含めて、低価格機向けからハイエンドまでRadeon HD 3000シリーズで統一したことをアピール。3000シリーズは、それまでの2000シリーズからチップの製造プロセスを縮小して消費電力を下げたほか、Windows Vista Service Pack 1から導入される「DirectX 10.1」に対応、さらに従来の2倍の転送速度を持つPCI Express 2.0で接続可能という特徴を持つ。ライバルであるNVIDIAの同クラス製品に対し、ゲームなどで1割から最大で7割近く高い処理性能を示すとした。
Hybrid Graphicsは、同社のチップセットに内蔵したグラフィックス機能と外部グラフィックスチップを組み合わせて実現される各種機能の総称。同社のWebサイトでは「ATI Hybrid CrossFireX」「ATI SurroundView」「PowerPlay」「ATI PowerXpress(ノートPCのみ)」といった機能が構成要素として挙げられている。セミナーでは、近々発表予定のグラフィックス内蔵チップセット「RS780」(開発コード名)とRadeon HD 3450搭載ボードを組み合わせると、ボード単体より最大で1.8倍の処理性能が得られるとした。
インテルのセミナーでは、チャネル事業チャネル・マーケティング部の天野伸彦氏が、「Penryn(ペンリン)ファミリー」の開発コード名で呼ばれていた、製造プロセス45nmの新型Core 2シリーズの改良点について詳細に解説した。新型は、デスクトップPC向けのデュアルコアCPU「Core 2 Duo E8500」「同E8400」「同E8200」が既に販売中だ。
Penrynは、2006年に登場したCore 2シリーズの「Coreマイクロアーキテクチャー」をベースに製造プロセスを縮小した派生品で、数々の改良・強化点があるもののアーキテクチャー(CPU内部の基本設計)の大変更ではなく、マイナーチェンジであるとした。従来のCore 2 Duo E6850(3GHz)と同じ価格帯にある新型のE8500(3.16GHz)のベンチマーク結果を示し、動作周波数の違い以上に性能が伸びていることをアピールした。
続いて2008年前半の製品展開について言及。発表だけはされているクアッドコアの「Core 2 Quad Q9550」「同Q9450」「同Q9300」は、3月末までには発売になることを改めて説明した。第2四半期の製品展開については、具体的には述べられなかったが、第1四半期に「Q6600」のあった位置の「枠」を微妙に下げてあることを示して「察してください」と締めた。Q9300がQ6600の後継として登場するのと前後して値下げがあると予想される。1月下旬時点でのQ6600の実勢価格は3万円台前半。恐らく2万円台半ばになるとみられる。