マイクロソフトは2008年1月25日,1月30日に予定していた「Office 2003 Service Pack 3(SP3)」のOS自動更新による配布を延期すると発表した。Office 2003 SP3を適用すると,PowerPoint 97以前など古い形式のOfficeファイルが,デフォルトで利用できなくなる。この互換性問題に配慮し,配布を延期した(関連記事:「Office 2003」用SP3で互換性が犠牲に)。

 Office 2003 SP3自体は,2007年9月に公開された。しかし,SP3を適用すると,Word 1~5のファイルや,PowerPoint 97以前のファイル,「Corel Draw」形式のファイル(拡張子は.cdr),Lotus 1-2-3のファイル(拡張子は.wk*)などが開けなくなる。この互換性問題が広く知られるようになったのは,2007年末になってから。そのため,マイクロソフトはユーザーへの周知を徹底する必要があると判断し,Office 2003 SP3の自動更新での配布を延期した。いつ配布するかは,現在のところ決まっていない。

 マイクロソフトでは「Office 2003 Service Pack 3 のインストール後にブロックされる特定のファイルの種類に関する情報」という技術情報を公開して,これら古いファイルをOffice 2003で開く方法を解説している。この情報によれば,同社の「ダウンロード・センター」からパッチを入手して適用すれば,古いファイルが開けるようになるという。

 ただしマイクロソフトでは「ブロックを解除すると,セキュリティに問題があるファイル形式を利用できるようになり,セキュリティ・リスクが高まる。どうしても古いファイルを開きたいユーザー以外は,ブロックを解除しないようにしてほしい」と説明している。