テレビスタンドが付属しない分離型の液晶ディスプレイ「Xシリーズ」などを発表
テレビスタンドが付属しない分離型の液晶ディスプレイ「Xシリーズ」などを発表
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ディスプレイ部とチューナー部を無線接続するためのオプションを用意する。写真上部にあるボックスがそれで、実勢価格は約9万円
ディスプレイ部とチューナー部を無線接続するためのオプションを用意する。写真上部にあるボックスがそれで、実勢価格は約9万円
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液晶パネルを従来の半分にするなどの工夫により、壁掛けを可能にした
液晶パネルを従来の半分にするなどの工夫により、壁掛けを可能にした
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 シャープは2008年1月24日、薄型液晶テレビ「AQUOS」の新製品を発表した。今回発表したのは、3シリーズで計20機種。上位シリーズから順に「Xシリーズ」「Eシリーズ」「Dシリーズ」があり、XおよびEシリーズは3月1日、Dシリーズは2月9日より出荷する。「北京オリンピックの開催でテレビの買い換え需要が増えると予測される。現行のRおよびGシリーズも、オリンピック開催前にモデルチェンジし、当社は合計5シリーズの液晶テレビでオリンピック商戦を乗り切る」(松本雅史代表取締役副社長)。

 各シリーズでの画面サイズ別ラインアップは、Xシリーズが46/42/37型(解像度1920×1080ドットのフルハイビジョン)、Eシリーズが52/46/42/37型(解像度1920×1080ドットのフルハイビジョン)、Dシリーズが32/26/20型(解像度1366×768ドットのハイビジョン)。Dシリーズのみ、白、黒、赤といったカラーバリエーションを展開する。X/Eシリーズは、新開発の液晶パネルを採用し、画面表示の回路も一新。1万5000対1の高コントラストを実現し、4096階調を表現可能。通常の2倍の速度で表示して残像感を減らす「倍速駆動」にも対応する。

 最上位のXシリーズでは、ディスプレイ部とチューナー部を分離したデザインを採用。ディスプレイ部にはスタンドが付属せず、オプションの金具を用いて壁掛けにできるのが特徴だ。ディスプレイ部は厚さ34.4mmで重さは22kg(46型の場合)。ディスプレイ部とチューナー部は、HDMIケーブルで接続するが、ワイヤレス接続のための専用オプションユニット「AN-AV500」(実勢価格約9万円前後、3月発売予定)も用意する。AN-AV500は無線LANと同じ5GHz帯を用いて、チューナーとディスプレイ間の無線通信を行う。両者は最大20mまで離してもOK。ただしプロトコルは無線LANではなく独自方式を採用し、ハイビジョン映像のデータを圧縮せずに送ることができるという。

 なお、HDMIケーブルをワイヤレス化する技術として「WirelessHD」が1月に策定されたばかりだが、「将来、現行の独自方式に変わって採用する可能性はある。現在、他の方式も含めて検討している最中だ」(寺川雅嗣取締役)とした。WirelessHDは60GHz帯のミリ波の電波を用いて、10メートル程度までの距離なら最大4Gビット/秒で通信できる技術。室内なら、複数の機器同士でハイビジョン映像を送信させることも可能。NEC、東芝、ソニー、松下電器産業、米インテルなどが業界団体を通じて、標準化や普及活動をしているが、シャープは同団体には参加していない。「いずれの方式を採用するにせよ、分離型の液晶ディスプレイではワイヤレス化は必然。技術的なハードルは高くないので、ワイヤレス接続ユニットはいずれ内蔵させたい」(寺川取締役)との考えを示した。