総務省は2008年1月25日,地上と高速移動する列車を接続するために400MHz帯の電波を割り当てる案を発表した。2月25日までパブリックコメントを募集する。JR東海などJR各社は,同周波数帯を利用して新幹線の列車内で無線LANを使ったインターネット接続サービスを実現する予定。

 400MHz帯は,従来は新幹線の運行業務無線などに利用していた。制度改正により,ユーザーに対してサービス提供する電気通信業務にも利用を拡大する。具体的には,415.5M~417.5MHzおよび460M~462MHzの合計4MHz幅が今回の制度改正の対象となる。この帯域をデータ通信に利用することで,地上から列車方向(列車内のユーザーから見て下り方向)で列車当たり最大2Mビット/秒のデータ伝送を可能にする。

 地上と列車の間の通信には「漏えい同軸ケーブル」(LCX)を使う。LCXとは,同軸ケーブルに連続的に穴を開けることで,ケーブルから電波を発射するようにしたもの。新幹線では,運行業務無線などの用途で漏えい同軸ケーブルを線路沿いに敷設済みである。一方,列車内での通信には無線LANを利用する。これは家庭やオフィスの無線LANと同様の2.4GHz帯を利用する。

 なおJR東海は,2009年春から列車内でのインターネット接続サービスを提供することを2006年6月に発表済み(関連記事)。

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