富士通ビー・エス・シーは2008年1月24日,Windows Mobile 6を搭載したスマートフォンを業務に利用する際に必要となる機能をセットにしたソフトウエア「MobileUnity」を発表した。4月1日に発売する。

 MobileUnityは(1)アプリケーション開発・実行用プラットフォーム,(2)デバイス制御,(3)運用管理,(4)暗号化・情報漏えい防止――の三つの機能を備える。

 (1)はサーバーとスマートフォンが連携しながら動作する業務アプリケーションを簡易に開発できるプラットフォーム。特徴は業務処理を実装する開発者が,プログラム・コードを書かないで済むこと。具体的には,画面遷移や画面デザイン,画面ごとに呼び出す処理を定義するだけで済む。呼び出す処理はそれぞれURLにひも付けられているため,コードは開発者からは見えない。このURLに対して,XMLデータをやり取りすることでバックエンドの処理が実行される。

  (2)のデバイス制御は,スマートフォンに付随するカメラやQRコード・リーダー,Bluetoothを介して接続されるプリンタなどのデバイスを,アプリケーションから簡易に利用できるようにする機能。一般に外部デバイスを利用する場合,端末/周辺機器メーカーごとに利用のためのAPIが異なる。つまり,同じ「プリントする」という動作であっても,デバイスごとにプログラムを作る必要がある。この上位に差分を吸収するレイヤーを作ることで,業務アプリケーションから透過的に利用できる仕組みを用意する。

 (3)の運用管理は,リモートから端末の状態をコントロールできるようにするもの。例えば端末を紛失した場合に,データをすべて消去したり,端末にパスワードロックをかけたり,解除したりすることを可能にする。

 (4)の暗号化・情報漏洩防止機能では,内部メモリーや外部メディアに保存されるデータに暗号をかけられるほか,無線LAN,Bluetooth,赤外線など情報漏えいの流出経路となるデバイスを制限できる。これにより,企業ポリシー応じた端末の設定が可能になる。

 MobileUnityの価格は,10アクセス・ライセンス付きで52万5000円,追加1ライセンス当たり1万5750円となっている。