トレンドマイクロは2008年1月24日,Linuxサーバー向けウイルス対策ソフトの新版「ServerProtect for Linux 3.0」を29日から販売開始すると発表した。新版の主な特徴は,VMwareを用いた仮想環境での動作を保障したことである。

 新版では,米VMware社が有償製品として販売している仮想化ソフト上での動作が正式にサポートされる。従来版も仮想環境で動作するが,サポートの対象外だった。

カーネルフックモジュールのソース・コードを公開

 新版の販売に合わせてトレンドマイクロは,「カーネルフックモジュール」のソース・コードを公開する。カーネルフックモジュールは,ハード・ディスクなどへの書き込みが発生した際に,カーネルの処理を横取りしてウイルス対策ソフトに渡すためのプログラム。ウイルスのリアルタイム検索を行うために不可欠であり,Linuxカーネルに組み込んで用いられる。

 トレンドマイクロはこれまで,カーネルフックモジュールをバイナリで提供してきた。ただし,Linuxカーネルがアップデートされるときちんと動作しなくなるケースがあり,その場合にユーザーはトレンドマイクロから新しいバイナリが提供されるまでリアルタイム検索ができなかった。

 新版ではバイナリに加えて,そのソースを公開することで,ユーザー自身がソース・コードを変更してバイナリを作成できるようにした。ちなみにトレンドマイクロは,カーネルがアップデートされたら,従来通り新しいバイナリを提供していく。

 新版ではこのほか,対応ディストリビューションにRed Hat Enterprise Linux 5.0,SuSE Linux Enterprise Server 10,SuSE Linux Enterprise Desktop 10,MIRACLE LINUX V4.0(Asianux 2.0),Asianux Server 3が加わった。サポート・ハードウエアに,NECのフォールト・トレラント・サーバー「Express5800/ft」が加わった点も新しい。

 ServerProtect for Linux 3.0の価格は,ユーザー・ライセンスとサーバー・ライセンスの2種類がある。ユーザー・ライセンスの価格(初年度)は2万5900円(5ライセンス)から,サーバー・ライセンスの価格(初年度)は15万5400円(1サーバー)から,である。