米eBayは米国時間2008年1月23日，同社社長兼CEO（最高経営責任者）のMeg Whitman氏が3月31日をもって退任する事を明らかにした。同氏はその後も取締役として同社にとどまる。
Whitman氏は1998年3月にeBayに入社した。当時，同社は米国のみでオークション・サイトを提供し，従業員は30人程度で，登録ユーザーは50万人，売上高は470万ドルだった。同氏が率いてきた10年間で，同社は事業を世界展開し，登録ユーザーは数億人に拡大した。従業員は1万5000人を超え，年間売上高は77億ドル近くにのぼる。
同社設立者兼会長のPierre Omidyar氏は「創業期の10年を通じて，Whitman氏が献身的に取り組んできたことに感謝している」と述べた。
なお，後継者にはJohn Donahoe氏が取締役会から選出されている。Donahoe氏は2005年2月に入社して以来，Marketplaces事業のプレジデントを務めている。
そのほか，PayPal事業のプレジデントであるRajiv Dutta氏がeBay執行副社長に，PayPal事業のCTO（最高技術責任者）であるScott Thompson氏がPayPalプレジデントにそれぞれ任命された。
また同社は，2007年第4四半期および通期の決算を同日発表した。第4四半期の売上高は21億8100万ドルで前年同期比27％増加した。GAAPベースの純利益は同53％増の5億3100万ドル（希薄化後の1株当たり利益は0.39ドル），非GAAPベースでは同42％増の6億1100万ドル（同0.45ドル）となる。
事業別の売上高は，Marketplaces事業が前年同期比21％増の15億ドル，PayPal事業が同35％増の5億6300万ドル，Skype事業は同76％増の1億1500万ドルだった。
通期の売上高は76億7200万ドルで前年比29％成長した。GAAPベースの純利益は3億4800万ドル（希薄化後の1株当たり利益は0.25ドル）で前年同期から69％減少。非GAAPベースの場合は，同41％増の21億600万ドル（同1.53ドル）となる。
今後の見通しとして，2008年第1四半期の売上高を20億～20億5000万ドルの範囲，希薄化後の1株当たり利益をGAAPベースで0.28～0.30ドル，非GAAPベースで0.37～0.39ドルと予測する。通期は売上高が85億～87億5000万ドルの範囲，希薄化後の1株当たり利益がGAAPベースで1.27～1.31ドル，非GAAPベースで1.63～1.67ドルとみる。
なお同社は2007年，約15億ドルをかけて4460万株を買い戻した。同社取締役会は，さらに20億ドル規模の株式買い戻し計画を承認したという。
