写真1●IP CONVERGENCE Server SS9100 リリース8
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写真2●IPstage SX
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 OKI(沖電気工業)は2008年1月23日、IP電話関連の製品群を出荷すると発表した。大規模オフィス向けIP電話サーバーと共に、中小規模オフィス向けの製品も用意する。これにより、企業で広がっているコミュニケーション改革のニーズに対応する。

 今回投入する製品は大きく3種類。(1)大規模オフィス向けのIP電話サーバー「IP CONVERGENCE Server SS9100 リリース8」(写真1)、(2)中小規模オフィス向けのIP-PBX製品「IPstage」シリーズ(写真2)である。IPstageシリーズは接続するIP通信機器の数などに応じて3モデルを用意する。

 SS9100の特徴は2万ポートまでの処理能力を持つこと。社員数が多く、IP電話や無線LAN対応の携帯電話、パソコン上で稼働するIP電話ソフトなど、多数の通信手段をつなぐ用途に向く。一方のIPstageシリーズは、数十~100程度のIP電話やソフトフォン(パソコン上で動作する電話ソフト)を接続するケースを想定した製品だ。いずれもIP電話の呼制御プロトコルであるSIPを使った相互接続が可能である。

 またSS9100では、ソフトバンクの携帯電話「X01T」(東芝製)上で動作するソフトフォン「Com@WILL ソフトフォンポケット」を接続機器として正式にサポートする。Com@WILL ソフトフォンポケットは、沖電気が従来から販売しているWindows Mobile OS用のソフトフォンである。X01Tは無線LAN機能を搭載しており、Com@WILL ソフトフォンポケットをインストールすることで、モバイル型のIP内線電話として利用可能になる。

 これらと同時に、IP電話の「MKT」シリーズを発表した。MKTシリーズは従来の多機能電話機と操作性を継承する。これにより、従来型の電話を使用しているユーザーが混乱なくIP電話に移行できるようにした。一部機種には無線LAN機能を搭載。設置コストを削減したいユーザーや、フリーアドレス制のオフィスを検討しているユーザーに売り込む。

 近年、IPネットワークを使った複合的な情報伝達の仕組みである「ユニファイド・コミュニケーション」に注目が集まっている。ニーズは大企業だけでなく、中小企業にも広がっている。社員数の少ない中小企業では、社員一人ひとりの業務効率性が、企業の収益に反映されやすいからだ。フリーアドレス制のオフィスを構築する企業も増えている。沖電気はこうした市場の動向をにらみ、各製品の拡販を狙う。

 標準価格(税抜)は、SS9100が1000ユーザーのモデルで4500万円から。IPstageがエントリモデルで70万円から。IP電話のMKTシリーズはエントリモデルで3万9800円。