総務省は2008年1月23日,「競争セーフガード制度に基づく検証結果(2007年度)(案)」に関する意見募集の結果を公表した(発表資料)。「競争セーフガード制度」は,NTTグループによる市場の独占を監視するための制度で,2007年度内の運用を目指している。2007年4月に最初の運用ガイドラインが策定・公表された後,2回行われた意見募集を踏まえて検証結果案を取りまとめ,この検証結果案に対する意見を募集していた。今回の意見募集に対して,NTT東日本,イー・アクセスグループ,ケイ・オプティコム,NTTコミュニケーションズ,ソフトバンクグループ,KDDI,NTT西日本の7社から意見が提出された。

 公表された意見は,事業者の自由な競争に委ね規制緩和を主張するNTTグループと,公正な競争環境を確保するためにこそNTTグループに対する規制の強化が必要とするその他の電気通信事業者の間で平行線をたどっている。例えば検証結果案では,他社への開放義務がある「指定電気通信設備」の指定にNTT東西のメタル・光を問わず合理性があるとしている点について,NTT東日本は光ファイバーにはボトルネック性がなく指定を除外すべきと主張している。一方,ソフトバンクグループは指定が外されると全国一貫した光サービスの提供ができなくなり,許容できないとしている。

 総務省は今後,検証結果案に対して寄せられた意見を踏まえ,速やかに検証結果を取りまとめ,情報通信審議会に報告する予定である。