ネプロジャパンは,データ暗号化とアクセス権限管理によって情報漏えいを防ぐファイル・サーバー機「データクレシス-ステーション」(DataClasys-Station)を,2008年2月25日に出荷する。専用のクライアント・ソフトをインストールする必要があるものの,データの暗号化/復号化が自動的に行われるため,ユーザーの使い勝手をそがないという利点がある。価格はオープンだが,実勢価格は,ユーザー数10人を想定した下位機種が70万円強,30人を想定した上位機種が100万弱程度となる見込み。

 DataClasys-Stationは,情報漏えい対策機能を備えたファイル・サーバー機である。「機密」「重要」「注意」と呼ぶ3種類の共用フォルダにファイルを保存することで,DataClasys-Stationが自動的にファイルを暗号化する。これら暗号化ファイルに対する,「閲覧」「更新」「印刷」などのアクセス権限を,「部長」や「課長」といった役割に応じて設定し,使い分けられる。

 DataClasys-Stationにアクセスするパソコン上には,専用のクライアント・ソフトを常駐させる。これにより,暗号化ファイルを,あたかも暗号化されていないファイルであるかのように利用できる。クライアント・ソフトが自動的にファイルを復号化するからである。ユーザーは復号化を意識する必要がない。一方で,暗号化ファイルをUSBメモリーなどで社外に持ち出した場合は,暗号化されているため,情報の漏えいを防止できる。クライアント・ソフトの稼働OSは,Windows 2000 Professional,Windows XP,Windows Vista。

 想定する利用者数に応じて,ハードウエア性能や搭載ディスク容量などの異なる2種類のモデルを用意した。(1)下位モデル「DataClasys-StationLX」はミニタワー型きょう体で,利用者数10人(最大30人)を想定。CPUはVIA 07(1GHz)で,ディスク容量は160Gバイト×2。(2)上位モデル「DataClasys-StationFX」はタワー型のきょう体で,利用者数30人(最大100人)を想定。CPUはCeleron(2.66GHz)で,ディス容量は500Gバイト×2。いずれもOSはLinuxで,ファイル・サーバー機能にSamba,データベースにPostgreSQLを採用している。

 なおDataClasys-Stationは,LinuxベースのPCサーバーに「DataClasys」と呼ぶアクセス管理・暗号化ソフトをインストールしたファイル・サーバー機。IT機器ベンダーであるサバン(愛媛県新居浜市)とネプロジャパンが共同開発した。製造はサバン,販売はネプロジャパンが行う。アプライアンスのベースとなるPCサーバーは,サバンのものを使用する。ソフトウエアであるDataClasysの開発会社はネプロジャパン。元々はアークンがDataClasysを開発し,アークンからモバイル・テクニカへ,モバイル・テクニカからネプロジャパンへと事業が移管された。

■変更履歴
ソフトウエアであるDataClasysの開発会社の記述に誤りがありました。モバイル・テクニカとしていましたが,正しくはネプロジャパンです。本文は訂正済みです。[2008/01/23 18:05]