AMDは1月28日、昨秋に投入を予告していたフラッグシップ製品「Radeon HD 3870 X2」を正式に発表した。「X2」の名称から想像される通り、Radeon HD 3870 X2は、2007年11月に出荷したグラフィックスチップ「Radeon HD 3870」をボード上に2個搭載したデザインになっている。2個のチップは、同社の独自技術「CrossFire」で接続。コア動作周波数の向上もあり、アプリケーションによっては3870単体の2倍以上の3D描画性能を示すという。AMDからの正式発表に先立ち、ASUSTeK ComputerやSappire Technologyなどは1月23日、Radeon HD 3870 X2搭載ボードを発表していた。
Radeon HD 3870 X2は「キワモノ」か、はたまた今後の主流となるのか。2個のチップを搭載したボードは過去にも出ている。チップメーカーによるデザインとしては2006年に出たNVIDIAの「GeForce 7950 GX2」が記憶に新しいところだ。しかし昔からのATIファンなら「RAGE FURY MAXX」を真っ先に思い出すだろう。OSの対応状況や性能がいま一つで、さっそうと登場しながらもあっという間に消えていったあの製品だ。
ただ、Radeon HD 3870 X2は奇をてらって作られた「超ハイエンド」ではない。グラフィックスチップはダイ(半導体本体)の巨大化などで単体では3D性能を引き上げにくくなってしまった。「1枚のボードにチップが2個」は、製造コスト(ダイの大きなチップは歩留まりが悪い)と導入コスト(複数枚挿しは割高)を抑えて実現できる、性能向上の解決策の1つとして見るべきだろう。
このほか、AMDは1月23日にミドルクラスの「Radeon HD 3600シリーズ」と低価格機向けの「同3400シリーズ」も発表している。従来の「Radeon HD 2600シリーズ」「同2400シリーズ」から、チップの製造プロセスを55nmに縮小し、Windows Vista Service Pack 1から導入されるDirectX 10.1にも対応する。