ホワイト学割の割引内容
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HTMLメールの素材や着うた、ゲーム、電子コミックなどを無償提供する
HTMLメールの素材や着うた、ゲーム、電子コミックなどを無償提供する
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孫氏。「学生は携帯電話代を稼ぐためにバイトしている。そうした学生たちが安心して携帯電話を使えるようにする」
孫氏。「学生は携帯電話代を稼ぐためにバイトしている。そうした学生たちが安心して携帯電話を使えるようにする」
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 ソフトバンクモバイルは2008年1月21日、学生を対象とした新たな割引キャンペーン「ホワイト学割」を発表した。同社の第3世代携帯電話を新規に購入し、3月1日から5月31日までの間に同社の携帯電話サービスに新規契約すると、新規契約から3年間に限りホワイトプランの月額基本料が通常の980円から0円となるなどの内容。新年度の始まりに向けた春商戦期にこうしたキャンペーンを展開することで、携帯電話の利用頻度が高く、かつ長期間の契約が見込める学生層を同社へ呼び込むことを図る。

 基本料以外の割引内容は次の通り。(1)パケット料金の2段階定額制「パケットし放題」「PCサイトブラウザ」「PCサイトダイレクト」の月額最低料金を、通常の1029円から0円とする。(2)専用ポータルサイト「コンテンツ学割クラブ」において、HTMLメール「デコレメール」の素材、着うた、ゲーム、電子コミックなどを無料で提供する。なお、ホワイトプラン、パケットし放題(またはPCサイトブラウザ、PCサイトダイレクト)、およびインターネット接続サービス「S!ベーシック」(月額315円)の契約が必須となる。

 対象となるのは小学校~大学・専門学校の学生。本人が販売店に出向き、かつ学生証を提示することが条件。20歳未満の場合は保護者の同意書も併せて必要となる。ただし、新規契約時に学生であればよく、たとえば卒業直前の大学4年生が契約しても、その時点から3年間は割引が適用される。既に同社の携帯電話を保有している既存ユーザーはキャンペーンの対象外だが、「既存ユーザーを対象としたキャンペーンを4月1日に始める。キャンペーンの内容は同日発表する」(ソフトバンクモバイル 代表取締役社長の孫正義氏)と含みを持たせた。

 導入の背景について孫氏は「当社は学生に弱く、学生マーケットでのシェアがわずか7%である。しかし学生は全ユーザー層の中で最も携帯電話を使う。1契約当たりの月間平均収入(ARPU)が高く、平均的に月額8000~2万円支払っているユーザーも多い。最も高価格帯の携帯電話を購入するのも学生だ」とコメント。長期的な契約の見込めるユーザーの獲得だけでなく、同社ユーザー全体のARPUの底上げも視野に入れていることを示唆した。

 大規模な割引施策に伴う減収懸念については、「割引により学生のARPUは減るだろうが、ユーザー数を増加させることでシェアを高めていくのが先決だと考えた」としている。また、安定した収入源を持たない学生ユーザーの増加に伴う、延滞や強制解約といった料金回収に関する事故の増加については、「保護者に内緒で契約できるならそういう可能性もあるが、現在は保護者の同意書を20歳未満に義務づけており、そうした問題は起こりにくいと考えている。これまでの事故率を見ても、学生とそれ以外のユーザーで差はほとんどない」との見解を示した。