記者会見する吉村学長
記者会見する吉村学長
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 インターネットを介して授業を行うサイバー大学は2008年1月21日、「学生の本人確認が不十分なまま単位を認定していた」と一部新聞が報じた件について記者会見を開いた。会見に応じた吉村作治学長は、「(学生の)本人確認をしないまま単位を認定することはない。事実誤認だ」と報道内容を否定した(写真1)。

 07年4月に同大学に入学した学生は、前期の授業をすでに受講している。「前期に試験を受けた学生には、成績(点数)をお知らせ済みだが単位は認定していない。単位は、08年3月の教授会で成績と本人確認の実施状況を踏まえた上で認定する」(吉村学長)。

 一方、08年1月21日時点で、学生数620人のうち本人確認が済んでいない学生が180人に上ることが明らかになった。吉村学長は、「(対応が後手に回ったのは)トップである私の責任」と陳謝した。

 同大学は、入学式や説明会の会場で学生本人と対面し、入学願書に張り付けた顔写真と本人が一致するか確認を行っている。会場にかけつけられないなどの理由で本人確認ができてなかった学生については、「別の機会に対面による確認をお願いしたが受け入れてもらえなかった」(吉村学長)。

 本人確認が済んでいない180人の学生については、授業で活用しているWebカメラや携帯電話のカメラ機能を使って08年1月末までに本人確認を済ます予定である。この方法で1月末までに確認ができない学生については、サイバー大学の職員が直接訪問して2月末までに本人確認を済ます。その後も確認ができない学生については、単位は付与せず退学勧告を行うという。

 サイバー大学は、教室施設を備えずにインターネットを介して授業を行う国内初の通信教育大学。07年4月2日に開校し、IT総合学部と世界遺産学部からなる。