インターネットイニシアティブ(IIJ)は2008年1月21日,HSDPA(high speed downlink packet access)を利用した法人向けデータ通信サービス「IIJモバイル」を開始すると発表した。NTTドコモとのMVNO(仮想移動体通信事業者)契約(関連記事)に基づき,NTTドコモの無線設備を借りて独自ブランドでサービスを展開する。2009年度単年で6万回線の獲得を目指す。

 IIJモバイルは,下り最大3.6Mビット/秒,上り最大384kビット/秒のインターネット接続サービス。全国エリアで利用でき,オプションで国際ローミングに対応する。NTTドコモが提供している定額プランとは異なり,使えるプロトコルに制限はない。

 料金プランはユーザーの利用形態に応じて3種類用意した。(1)月額8925円/回線で使い放題の「定額プラン」,(2)基本料金は月額1890円/回線で,パケット通信量に応じて従量課金する「パケットシェアプラン」,(3)基本料金は月額4095円/回線で,同時接続数に応じて固定額を追加徴収する「接続シェアプラン」である。(2)の従量課金と(3)の固定額の料金は個別見積もりとしている。

写真●IIJモバイルでレンタル提供するデータ通信カード
写真●IIJモバイルでレンタル提供するデータ通信カード
写真はNTTドコモの「FOMA A2502 HIGH-SPEED」(韓国エニーデータ・ネット製,USBタイプ)。
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 オプション・メニューは以下の4種類。(1)特定範囲のIPアドレスを固定的に割り当てる「接続元限定オプション」,(2)インターネット接続の禁止など通信先を制限できる「接続先限定オプション」,(3)海外で利用できる「国際ローミングオプション」,(4)社内へリモート・アクセスする際に認証や通信制御の機能を提供する「リモートアクセスVPNオプション」である。

 データ通信カードはNTTドコモから調達したものをレンタル提供する。当初はUSBタイプ「FOMA A2502 HIGH-SPEED」(韓国エニーデータ・ネット製,写真)だけだが,今後,ExpressCardタイプ「FOMA OP2502 HIGH-SPEED」(ベルギーのオプション製)とCF(コンパクト・フラッシュ)タイプ「FOMA N2502 HIGH-SPEED」(NEC製)を提供する予定。

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